『夜のピクニック』 恩田陸
- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/07/31
- メディア: 単行本
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吉川**新人賞と云われてももひとつピンとこないけど本屋大賞となると触手は動く。
誰が考えたのか知らないけどいい企画だ本屋大賞。読むべき本を選ぶ際僕が参考にしているのはやっぱりなにかの受賞作というのは外せなくて後は人気作というのもある。他にもあるけどこの二つはなんだかんだ結構大きい。ただ後者はあてにならないことがままあり前者はなんというか”遠い”感覚があっていざ読んで楽しみとしての読書を感じることがないことも多い。で本屋大賞っていうのはその中間に位置するありがたい賞なのね僕としては。似たような立ち位置として年末とかに出る読者ランキングを元にした賞もあるけどあれはちょっと違う。あれは猛者。本好きっていうか本読みの猛者。だからかなり濃ゆい作品がランクインしてたりする(ような気がする)。本屋大賞はそこいくと本好きで平和な人々。もっと云ってしまえば本好きで平和な可愛らしい女性店員な人々(オレの世界に男店員などいらん)。僕の憧れ。そんなわけでなんだかとっても心にやさしい印象がある企画なのだ。
まだ2回しか実施されていないけど第一回が小川洋子の『博士の愛した数式』でこれがまた静かないい小説だった。傑作というよりは良作というような。『夜のピクニック』もやっぱり良作。
表紙の画をみると小学生の話なのかと思ってしまうが高校生が主人公。
高校生活最後の行事である歩行祭(全校生徒が80kmを一日かけて歩くまたは走る)を通して高校三年生の彼彼女の恋愛・友情・家族が語られる。ずるいくらいど直球な青春。わあずるい。僕はここに描かれてるような素敵な青春なんて送ってないけどあちこちの場面を繋ぎ合わせてそれでも駄目でどこかで経験したはずだと記憶を捏造してフルフル感慨に耽るのであった。ああ寓話っていいよね(キャラがみんないい奴っぽいのだ。羽海野チカさんが吉本ばななさんとの対談で語っていたこと。ハチクロのキャラは悪者がいないと。現実はもっとドロドロだと。そんな意見が読者からあるらしい。で彼女はリアリティについて思い悩んだらしい。でも自分が描きたいのは寓話なのだと。だからこれでいいんだと。思ったらしい。うろ覚えだがそんなことを思い出した。)。
ハチクロ
木曜日アニメ「ハチクロ」。に続き『ダ・ヴィンチ』『EYESCREAM』でも「ハチクロ」関連の記事をチェック。
読んだところによるとどうも原作者である羽海野チカさんの意向がかなりアニメにも反映されてる様子。はぐの声担当は工藤晴香さんという娘で彼女の声が羽海野さんの思うはぐのイメージに近かったそうな。で彼女は『セブンティーン』の専属モデルとのこと。つまり声優としてのキャリアはほとんどないというか素人に近いのかな。まあそんなことはこちらとしてはどうでもいいのだがオレのイメージのはぐボイスとは違ったな。いややっぱりプロ声優ではないというのがひっかかった原因なのかな。なんつーか棒読み?抑揚がない?そんな感じは確かにあった。さらに云えばやたらはっきりしゃべってるのもなんか違うような。はぐはもっと挙動不審なのだが(あくまでオレの脳内では)。さらに云えば彼女のコメントで”いままで願ったことは全部叶ってる”というのがあったと思うのだがそんなこと云っては駄目。可愛らしい少女がそんなこと云ってしまうともしかしてほんとっぽくってジェラシーを感じてしまう。それが若さゆえのポーズだとしてもオレは悔しい。なんでオレは美少女に生れてこなかったんだろう。
挿入歌。
1話ではスピッツ。2話ではスガシカオ。
スピッツははぐ・竹本・森田、スガシカオは真山・山田・理花。ってことらしい。羽海野さんも執筆中よく聴いていたそうだ。しかしスピッツはいいとしてスガシカオはちょっとな、灰汁が強すぎて物語が負けてるように感じたのはオレだけかな。
『ハチミツとクローバー』④〜⑦ 購入。
オレは なににも なにも わからないよ
ぬうおおお〜。
ネオファラオゼッツで万枚突破じゃあ〜。
要するにパチスロ(ネオファラオゼッツという機種)で大勝したつうことだ。今年はなぜか調子がいいね。ここまで、サルカニ、ポパイ、と今回のネオファラオゼッツで既に三回の万枚越え。トータルでもプラスだ。なんだか僕怖いのだが去年はどえらい目にあったのでまあこういうこともあるのだろう。というかそろそろオレも勝ち方を憶えてきたってことなのかな。などと浮かれてはいけない絶対ダメ。地獄に落ちるのなんてあっという間だからな。負ける時は諭吉が鼻紙のように消えていく。
ともあれよもやの大勝にさてこの金をどうしてくれようと考えるのは地べたを這いずり回った挙句斜めに30mくらいめり込んじまってるようなオレの光の差さない暮らしに赦された数少ないささやかな楽しみ。
熟慮の末以下のものを購入した。
- 作者: 三崎亜記
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/01/05
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- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/07/31
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定価で本を買うのってなんか久しぶりな気がするのだがオレは一体どんだけシミッタレテるというんだろう。というか散財の対象が本しか思いつかない(いや正確には思いつかないわけではないのだけどどうもそこまで手が伸びないの)のもどうかと思うな。なんかどんどん買い物の仕方を忘れていってるなあ。5年目を迎える自作PCもガタピシいっててこの夏を超えられるんだろうかという状態なんだがどうにも買い換えるとこまで踏み切れない。もう何買ったらいいかわかんねえ。世の中がどうなってんのかわかんねえ。めんどくせえ。すべてこれ。「BEGIN」とか読んでみたんだけどさっぱりだ。なんだ。なんでジーンズのブランドがあんないっぱいあんだよ。三択にしてくれないとオレわかんねえよ。うわあー。いつの間にか体重5kgも増えてるよ。
生活を改めなければならないようだ。
『ハチミツとクローバー』
- 作者: 羽海野チカ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/03/18
- メディア: ペーパーバック
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最近この時間(午前1時ごろ)には寝ていることが多いのだけどこの日はなぜか起きていてなぜかテレビのスイッチをビタッと押したらどこかで観たようなタッチのアニメーションが流れていてオレはビコーンとひらめいた。そういや朝の新聞で何かの衝撃を受けていたその残像。それは『ハチクロ』のオープニング(終わりかけの数秒)であった。オレってラッキー。ささやかな幸せを感じた。
まだ連載が終了していない漫画のアニメ化というとどうしても中途半端な終わり方になってしまうのでそれってどうなんですかと思ったりもするのだが商業的にはこのタイミングがベストなのだろう。まあ深夜枠だから商業的つってもたいしたことないのかもしんないけどでも同じく深夜枠だった『BECK』のサントラだかなんだかは売れてるらしいしそこらへんはもはや19時枠のアニメと大差ないのかな。
内容はというとなかなかいいんじゃないのかこれは、と。
オレの中ではこの漫画はギャグが肝なんだがその配分は申し分ないように感じた。これはイケル。淡い色使いもあんなもんだろう。
ただ挿入歌とエンディングテーマがスピッツとスネオヘアーというのは。というのは。
スピッツなんぞ『ハチミツ』で”すーてきなこーいびと はーちーみつ とーかしてゆくーうー”とかそのまんまじゃねえかと思われるのだが。いや別に悪くはないけど。スピッツと『ハチクロ』の雰囲気は確かにモロかぶりでその選択は間違っていないとは思うのだけど。なんかもっとね、新鮮味というのが欲しかったなあ。この子は誰?ってな驚きが欲しかったの。
ちなみにオープニングはYUKIで挿入歌はスガシカオ(真山のモデルらしいっすね)も使われているらしい。どいつもビッグネームだな。まあそんだけ力が入ってるってことなのか。
とにかく楽しく観るとしよう。
追記。
どうも他の方のアニメ『ハチクロ』の感想を読んでみるとオープニングは実写とかクレイとかいう話のようでそれじゃあオレが観たものはナンダッタノカということになるんだけどまあオレの話なんて超適当ですなんだよ。気にしない。
追記2。
でそのOPはどうも不評な意見が目につく。
追記3。
本編は概ね好評のようだ。
『犬は勘定に入れません』 コニー・ウィリス
犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎
- 作者: コニー・ウィリス,大森望
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2004/04/17
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絶賛する。オレが。
なんのアレもなくただただ面白い。
面白いんだけどラストがね。とか。いいんだけどどうもピンとこねえ。とか。
そういう微妙な誰に対してかお茶を濁すような(小心者ゆえにね)感想を連ねることに疲れてしまったというのがここ最近このページがさっぱり更新されない理由の一つの要因でもあったりするのだが、これは気が楽だ。
だって、面白い、だけで感想は足りてしまうから。
中学生の頃『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を観てこいつあ完璧に最高だ。と能天気に抱いた面白さと似ている。
同じタイムトラベルものだし。他の設定もなんとなく被っている。
- タイムトラベルで起こった問題を解決するため奮闘する主人公。
- 過去で結ばれるはずであった男女をなんとかくっつけようとする主人公。
- 犬が登場。おまけにネコまで(どっちも可愛らしい。ネコなんてミャオと鳴くんだぜ。)。
シェイクスピアやら聖書やらのあっちでは基礎教養となっているような引用や台詞が数多く、そのへん疎いオレとしてはなんか損してるなという気分にもなろうが雰囲気はわかるからいいのだ。
自分のモノサシというものをいまいち信用してないからあんまし褒めちぎったりすることってない(はず)のだけどこれはもうもの凄い勢いでお薦めする。これがダメだなんて云う奴はオレしらね。もう勝手にするがいいさってな具合。
『テキサスナイトランナーズ』 J・R・ランズデール
- 作者: Joe R. Lansdale,ジョー・R.ランズデール,佐々田雅子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2002/03
- メディア: 文庫
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文はうまいけどつまんねえな。
やたら読みにくいんだけどなんかもってかれるな。
どっちにしろあまり読みたくないがあえて選ぶなら後ろのほう。
そしてこれは後ろのほう。読みにくいけどなんかある。
著者の『ボトムズ』や”ハップ&レナード”シリーズを読んでる身からするとこの作品はとんでもなく拙い(ような気がする)。
滑らかさがない。まあ滑らかさなんて普段読んでてそう感じることはなくてただつらつらひっかかりなく読み進めてしまうってことでそれを意識することはあまりないのだけど。
でこれはちょっと酷くてもうかなりの悪路でしてそこらへんにボッコボコ穴が空いてるわけだ。
これがなんらかの効果を狙ったものなのかどうかそんなことはオレは知らなくてとにかくはっきり云ってしまえばヘタクソだなあ、と。
ただこうしてしっかり読んだ挙句感想まで書いてるあたり単なるヘタクソ小説ではなくてなにかチカラがあるなと思っているオレ。なにかとは”勢い”しかねえと断言するオレ。
ボコボコして読みにくい小説ってのはリズムがとりにくくてノレないわけだ、普通は。でああもういいやってな具合に読書リストからエイエンに消去されてしまうのが常なのだが、これはちょっと違った。なんか憑いてんじゃねえかと思うほどに作家が言葉をこれでもかと吐き出していてボコボコの悪路をグングン進む車の後ろに縄で繋がれてバッタンバッタン跳ねながら引き摺られていってる感じ。そういう凄みがある(ような気がする)。