古川日出男の
新刊『LOVE』読み中その2。
前に、面白い、と云ったけどもやはり面白い。これは相当面白いんじゃないかという気がしている。なんかの本に(『群像』とかそういう小説系のやつ)著者のコメントが載っていて、それは、「20世紀のなんたらを小説ですべて解き明かしてやるぜ」とか「僕の作品はどんどん攻撃的になっていってるぜ」とかだったと思うんだけど、そういう意気込みは感じられるかなと読んでいて思うわけだ。それが「何かを解き明かしている」のか、「攻撃的」なのかは、よくわからないんだけど、ナニカをやっておるな、というのはわかる。そのやり口のわけのわからなさ、とか、未完成さ、みたいなのが、これは舞城王太郎のにも感じることなんだけど、オレは好きなんだと思う。
エロムービーのサンプルを消そうとして
他のものまで一緒に消してしまった。ということが一夜明けて判明した。なにか大事なものが無くなってしまったような気もするのだが定かではない。なんかのパスワードとかそういうもの。きっとその時(必要な時)がこないと思い出せないだろう。他には4ヶ月ぶんの本やらなにやらの感想めいたものの切れ端が消えた。半分食べたダース(チョコレート)の残り半分が台紙にとろけついていた。一粒ずつ食べようと思っていたのにおかげで全部嘗め切ってしまった。
めんどくさいので
列挙することにした。
書き込みストップから読んだものたち思いつく限り。
『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』桜庭一樹
- 作者: 桜庭一樹,むー
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2004/11
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『ベルカ、吠えないのか?』古川日出男
- 作者: 古川日出男
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/04/22
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『マルドゥック・スクランブル』冲方 丁
マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA)
- 作者: 冲方丁
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2003/05
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ロリ未来戦闘モノと思いきや途中でギャンブルに興じている御一行。それはそれでいいんだけどもね・・・。
『ウォールフラワー』スティーブン・チョボウスキー
- 作者: スティーヴンチョボウスキー,Stephen Chbosky,小西未来
- 出版社/メーカー: アーティストハウス
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こういう雰囲気にオレは弱い。
『空中ブランコ』奥田英朗
- 作者: 奥田英朗
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/04/24
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『グラスホッパー』『ラッシュライフ』『死神の精度』伊坂幸太郎
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 角川書店
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- 作者: 伊坂幸太郎
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- 作者: 伊坂幸太郎
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『スウィング・ガールズ』監督:矢口史靖
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『光の帝国』恩田陸
- 作者: 恩田陸
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『アヴェンジャー』F・フォーサイス
- 作者: フレデリック・フォーサイス,篠原慎
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『レヴォリューションNO.3』『フライ、ダディ、フライ』金城一紀
- 作者: 金城一紀
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フライ、ダディ、フライ (The zombies series (SECOND))
- 作者: 金城一紀
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『莫逆家族』田中 宏
- 作者: 田中宏
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『海猿』佐藤 秀峰
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『今夜、すべてのバーで』中島らも
- 作者: 中島らも
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『電影少女』桂 正和
- 作者: 桂正和
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『θは遊んでくれたよ』森博嗣
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『リンゴォキッドの休日』矢作俊彦
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『モンキーターン』河合 克敏 『め組の大吾』曽田 正人
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め組の大吾 (01) (少年サンデーコミックス〈ワイド版〉)
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『YAWARA!』浦沢直樹
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『偽のデュー警部』ピーター・ラヴゼイ
- 作者: ピーター・ラヴゼイ,中村保男
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『ニッポニア・ニッポン』阿部和重
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『海の仙人』絲山 秋子
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『となり町戦争』 三崎亜記
- 作者: 三崎亜記
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まずは装丁から。
淡い青空をバックに「となり町戦争 三崎亜記」と滑らかな可愛げのある書体で記されている。
「となり町戦争」の「となり町」寄りの表現だろう。平凡な日常。なめらかな書体はその青空の穏やかさに溶け込んでいる。そこにある「戦争」の文字のギャップも面白い。
でもこれは上半分。
表紙の下半分を埋める白い帯をめくらなければこの装丁の計算はわからない。
帯の下、つまり淡く平和そうな青空の下に広がるのは、寂しい寒色に満ちた、冬枯れた荒野然とした広場なのだ。
日常的な青空と荒野。明と暗。
この相反するものがあたりまえのように僕らの視界には存在してる。
でも暗部は僕らには見えない(帯の下に隠れているからね)。
とまあこれは読後に(かなり適当に)感じだことなのだがただ単に装丁に惹かれた部分はある。
で内容はというとほぼ期待通り・予想通りの感触だった(ある意味で)。
ものすごくおおざっぱに云ってしまえば村上春樹風味。
僕はとりわけ特徴もなく描かれていて、そのとりわけ特徴もない日常に突然奇妙な変化が訪れる。
じゃあだからといってその日常が大きく様変わりして抑揚が出てくるのかというとそうでもなくて、生活自体は変わっていくのだけどまるで変わっていないかのように淡々と話しは進む。そして僕の前には魅力的かつ不思議な女性。オレは勃起。
やっぱ村上春樹だ。
日常に起こる不思議、でも淡々。
魅力的な女性。
勃起。
これは村上春樹ワールドの三大要素じゃないかよ(あくまでオレの中では。本当に?と問われればもれなく僕に沈黙が訪れるだろうが)。
だがこれ春樹好きのオレがお気に召すかというとそうでもない。あっ、春樹だ。と思った時点から比較が始まってしまってそうなるとどうしたって分が悪い。しょっぱなから掴みにかかってきたけどそのあとの展開がのっぺらとして終わってみれば始まりがピークだったのかという気もする。うーん。
教訓。高橋源一郎には気をつけよう(帯に載っている彼の絶賛は『すげえ!』のだマジで。なんか書店の新刊の帯の3割くらいで氏のお褒めの言葉を見かけるしな・・・)。