『野ブタ。をプロデュース』 白岩玄

　第41回文藝賞受賞。
　同じく第41回文藝賞受賞の『人のセックスを笑うな』がいまいちお気に召さなかったというかたんにああいったサラッとした恋愛ものが苦手なんだなあとなんだかモヤモヤした気持ちだったもんでじゃあこっちはどうなのよと読むことにした。
　明らかにモーニング娘。を意識したタイトルといい、パラッと捲って飛び込んできた文字がパトラッシュだったりと、はっきりいってヤバそうな感じはしていたんだけどそれでも『人のセックスを笑うな』よりゃまだオレ好み。つーかもしかして常々中学生のオレの影に恐々としているようなワタクシにはジャストフィットなのでは。などと思い直し読んだらばなかなかイケた。
　「『セカチュウ』で泣いてる場合ではない、『野ブタ。』を読んで笑いなさい」と斉藤美奈子氏絶賛。
　とのことらしいが、笑える？ふんっ。オレはそう簡単には笑わねえぞ。斜に構えていたわけだが無念にも笑ってしまった。うすら寒いのを覚悟していたのにニヤつきを押さえるのに苦労したよ。ま、まあまあだな。
　内容もまあシンプルでよし。
　ただ次は（次作。を描くのなら）どうかな。と思うけども。

野ブタ。をプロデュース