年末から年始の記録。

あんまり読めなかった。テレビなんてつまんねえよ、などと思いつつもきっちり正月番組を観てしまったのだろうか。わからない。憶えていない。年が始まってまだ10日あまりだというのに、すでに何をして過ごしていたのかが判然としない。なるほど、年末にその年の出来事がまるで思い出せないのも無理はないことだったんだね。
「書きあぐねている・・・」
この本がどれだけ、書きあぐねている人のため、になるのかはよくわからないが(僕は書きあぐねているわけではないし、書こうともしていないので)、保坂和志という人には興味を持った。もともと彼に興味があったから読んだわけだけど、ますます興味を持ったということだ。当然保坂氏の著作について触れられることが多く、この作品はこういう気持ちで書いたとか、こんな経緯で受賞したとか、そういうのを読んでいると、実際に確かめてみたくなる。ただ、そういった彼の小説観から受ける印象では、氏の小説は面白くなさそうな気がするのだが、どうなんでしょうか。
サウンドトラック」
村上春樹のリミックス本の著者として初めてこの人のことを知った。人気があるのかないのかさっぱりわからないんだけど、売れてるんだろうか。売れてもおかしくなさそうな本ではあると思うんだが。
流れとしては読みやすかったが、何か書き方がおかしいように感じた。これまで読んだものとは違った感覚。まあそれについてはどうということもない。問題は、やけに僕の知らない漢字を使っているということだ。そんな漢字あったっけ、と思うような旧い字を。旧字がなんらかの作用を狙っていることはその徹底ぶりからわかるんだけど、一体なんの作用を読み手である僕にもたらしたのかは不明である。敗北感に似たものを感じる。それが僕にもたらしたものは、辞書を引くこと、辞書を引いても見つからなくてがっかりしたこと、おかげでなかなか話が進まないこと、である。小説が、表現としてはとても限られた要素しかない、だから、使えるものはなんでも使ってやる、という気持ちもわからなくはないが、できれば違った手法でお願いしたい。ちなみに話は面白かった。他のも読んでみたい。舞城王太郎の世界に近いものを感じる。