『ボウリング・フォー・コロンバイン』 マイケル・ムーア

 『華氏911』が公開中なご時世ですが遅まきながら『ボーリング・フォー・コロンバイン』を観た。
 DVDを借りて観たのだけど、それ自体に傷があったのか、ハードに問題があるのか、たびたび映像が固まって集中できなかったのが残念だ。それでもPCで観たりPS2で観たりとなんとか最後まで辿り着いた。ああ面倒くせえ。
 なんつーか漠然とした期待を(この映画というよりはマイケル・ムーアという名前に対して)持って観たのだが、終わって、いったい僕は何を期待していたというのだろうという脱力感を感じた。別につまんねえとかそういうことではなくていや正直面白くはないわけだけどそういう話ではなくて体からというか僕の世界から何かが奪われてしまったような感覚。これ絶望っていうやつなのか。アメリカで銃による犠牲者の数が突出して多いのはなぜかとか、アメリカの歴史とか、多様な民族とか、恐怖と消費とか、ブッシュとかクリントンとかヘストンとかマリリン・マンソンとかサウス・パークとかKマートとか。そんなことはどうでもよくはないけどよく知らないし今はいい。問題は、ある。どこにもあるし、誰にもある。どこかの歪みを直せばどこかが歪む。誰かが笑えば誰かが涙を流す。ちくしょー。あまりに現実過ぎて救いがない。あれ現実って救いがないんだっけ。だから僕は夜も眠りながら昼も起きながら夢を見ているんだっけ。おれとかお前らとかなんなんだよいったいくそったれ。です。
 で、わー、延滞料金とられちゃうよー、って朝9時から暑いのに寝ぼけ眼で必死こいてチャリでツタヤに向かうおれってどうなってるんだよおい。人生ってハードっすね。

 ボウリング・フォー・コロンバイン [DVD]