docta2003-11-03

サイトを巡っていると「キル・ビル」の話題が多い。情報通、サブカル好きを自認するような方々にとっては必修なのでしょうや。その対象はもうしばらくすると「マトリックス」になるのだろうか。ややファン層がズレているような気もするが、ここまで話題性があるとどっちにしたって同じことでは?片方観るひとはもう片方もまず観るんじゃないかと勝手に想像してしまう。
名作であるか駄作であるかにはかかわらず、こなさなければならない基礎教養のようだ。
文化的な共通了解が必要だとか云っていたのは福田和也であるが、今日の基礎教養は果たして文化的な共通了解にまで到達しうるのでしょうか。前述の両作とも現象としては語られる存在にすでになっているんだろうけど魅力としてはどうなのか。どっちもまだ観ていないにもかかわらず云ってしまえば、それはないだろう。大体、ここ数年の映画作品に、話題性と魅力を備えた水準のものがどれだけあるというのか。それは作り手の問題、受け手の問題、そしてメディアの問題。僕らは限られた情報しか目にしていなくて、それ以上のものを手に入れようとすればそれなりの犠牲をはらわなくてはならない。ほとんどのひとはその与えられた情報を全てとは思わないまでもそれに満足してしまい、それより広い世界を見ることはない。
いっそのこと情報を全部シャットアウトしちまえばいいんだ、と思いつつもネットを彷徨っているのは矛盾だよなあという的を得ないお話。

追記。
キル・ビル」はおそらく劇場まで観に行くだろうが「マトリックス」はまず観ないと思う。ウォシャウスキー兄弟の作品で「マトリックス」は駄目でも「バウンド」はいいよ、なんて云うひとがちらほらいたりするんだけど僕はそれすら好きじゃねえのよ。なんか鼻につくんだよね。
まだ「リローデッド」すら観てないし、バンバン流れてるCM観ても萎える。おいおい、メジャーなのかB級なのかどっちなんだ一体、という印象。映像技術は革新的なんだろうけど、その他が陳腐すぎやしないでしょうか。