EURO2004 イングランドvsスイス

 前試合で悪夢を味わったイングランド。その影響はあるのか。というのが懸念されていたのだけど、3−0の完勝でやれやれというところ。
 フランス戦、ロスタイム3分で2点与えてしまったものの、それまでの90分間はフランスの、アンリ、トレゼゲジダン、ピレスといった恐ろしい攻撃陣をシャットアウトしていたわけで、それについてはイングランド監督エリクソンも「他のチームは尊敬してくれるだろう」とかなんとか強がりだかなんだかわからないが云ったそうで、そのご自慢の守備は今回はなおきっちりと役割を果たした。
 スイスは、セットプレー、クロスこそ上げるものの決定機は一つも与えてもらえなかった。ボールを奪っても中盤で流れを止められてしまい、いつでもイングランドの守備は余裕を持った万全の態勢。中央をガチガチに固め、スイスとしてはクロスかミドルシュートを打つしか手がない。打たされているといった状態で、エリクソンにしてみれば思う壺だったのだろう。こういうの日本がやられるとただのピンチにしか見えないのだが、そこは安定感が違う。高さが違う。
 かたやイングランドの攻撃陣。
 やはりすごかったベッカム。ずっと右サイドにはりついたままだったんだけど、ボールもらって、前向いて、すぐロングクロス。こればっかり。でこれがまたビタッと正確なんだなあ。しかも見事に相手の急所だったりして。彼自身のシュートシーンがなかったのは残念ですがさすがの職人ぶりでした。
 といっても相変わらずFWはボールにすらなかなか触れない状態でまたしてもオーウェンはほとんど消えていた。ベッカムオーウェンルーニーで1点取ってからは膠着。その後スイスDFがイエロー2枚で退場になったためイングランドは余裕のボール回しでチャンスを何度か作り2点を追加したのだけど、そこにオーウェンの姿はなかった。変わって入ったバッセルがいい働きをしていただけにオーウェンの不調が目立つ。ルーニーは2点とって調子に乗りそうなタイプだし期待できるが、一枚ではきつい。いまのところ心配はそこだけ。どうしたオーウェン