自分で髪を切る秘訣

 髪を切った。自分で。
 最近はずっと短めにしているから自分でやったところでさほど問題はないような気がしていて、ここ三ヶ月ほど髪を切りには行ってない。普通の紙切りばさみでチョキチョキやっている。ただ家には鏡があまりないので合わせ鏡にして後ろを見るということができない。恐くて後ろは切れない。ということでてっぺんと横だけを切りつづけてきたのだけど、そうしてできあがったものは、「疾風伝説特攻の拓」に登場しそうな懐かしのヤンキー臭漂うスタイル。わお。
 なおかつ洗いっぱなしで整えるという行為を放棄しているため絶えずモサモサであり、無造作という便利な言葉でまかなえる範疇を超えてるぜ、という具合になってきたので、手を入れることにしたわけだ。
 今回は果敢にも後ろも切る。見えないから勘で。人差し指と中指で髪をはさんで平行に切りそろえていく。見えないから勘で。しばらくやっていると飽きてくるのと無理な体勢で疲れてくるのとでかなり乱暴に切る羽目になり、さらに勘に任せる度合いは上がる。ザックザックザックザックザックザックザックザック。縦にはさみを入れたりして、ショキショキショキショキショキショキ。はさみの音を聴いていると楽しい。ほどほどでやめときゃいいのについつい切り過ぎてしまう。
 結果として、パンキッシュでアシンメトリーなソフトモヒカンもどきと云えなくもないようなものが生れた。要はボサボサということだ。わざとボサボサにしてるんだよ、という風にアピールしていく方向で暮らしていきたい。
 気を強く持つんだ。